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​要介護認定の申請方法

 

介護保険サービスを受けるには

介護保険サービスを受けるためには、要介護認定が必要です。体の状態が衰えてきても、人の手を借りる事への抵抗感があったり、費用が気になったりして、要介護認定を受けようとするまでの決断は、本人はもとより家族も判断に迷うところでしょう。ですが、介護保険は、65歳以上の方なら誰もが使える公的保険制度です。今までと変わりない日常生活を長く送るために、介護保険サービスを上手に活用しましょう。

​それでは、介護保険認定の申請から介護保険サービスを受けるまでの流れを順を追ってみてみましょう。

要介護認定の申請

介護保険サービスを受けるには、まず住んでいる市町村の窓口に要介護認定の申請を行います。

●申請に必要なもの

・申請書

・介護保険の被保険者証

・健康保険の保険証(第2号被保険者65歳以下の場合)

2016年1月より、マイナンバーの個人番号も申請書に記入しますので、マイナンバー通知書も手元に用意して申請書の記入をしましょう。

●本人が申請できない時

入院している場合など、本人が申請できない時は、家族が代わりに申請できます。一人暮らしや、家族や親族の支援が受けられない場合などは、次のところで申請を代行してもらうことも出来ます。

  ・地域包括支援センター

  ・居宅介護支援事業者

  ・介護保険施設(入所中の方)

病院に入院しているばあは、病院のソーシャルワーカーが、自治体の介護保険窓口や地域包括支援センターに連絡し手続きを進めることも出来ます。

要介護認定の認定調査

申請をすると認定調査が行われます。調査の方法は、本人への訪問調査と、かかりつけ医による意見書の作成を基に公平に審査し判定が行われます。「要介護認定」は、どれくらいの介護サービスが必要か、その度合いを判断したものです。

1.訪問調査

市区町村の職員や市区町村から委託されたケアマネージャーなどが自宅を訪問し、申請をした本人の心身状態や、日常生活、家族や住まいの環境などについて聞き取りをします。

適切に認定してもらうためにも、本人の普段の様子はメモに取り、認定調査時は家族も同席して、認定調査員へ伝え漏れの無いように準備をしておきましょう。

調査内容は全国共通です。認定調査の主な項目は下記参照。

<訪問認定調査内容>

概況調査 

現在置かれているサービス(在宅・施設)の状況

おかれている環境(住まいの状況・家族の状況・傷病・既往症等)

基本調査

1.身体機能・起居機能

2.生活機能

3.認知機能

4.精神・行動障害

5.社会性への機能

6.過去14日間で受けた特別な治療

特記事項

基本調査項目の中で具体的に内容が必要なものを選択し、介護の手間や頻度を明確にする

<基本調査項目と内容>

身体機能・起居機能

・麻痺の有無

・関節等の動きの制限

・寝返りが出来るか、起き上がれるか

・座ってられるか、立つことが出来るか

・視力聴力等

生活機能

・乗り移りや移動の動作

・食事の状況

・排尿、排便状況

・歯みがき、洗髪、洗顔

・衣類の脱ぎ着

・外出の頻度

認知機能

・意思の伝達

・生年月日や年齢を言うことが出来る

・自分の名前を言う

・短期記憶

・外出すると戻れない、場所の理解

精神・行動障害

・物を盗られたなど被害的になる

・泣いたり笑ったり情緒が不安定

・昼夜の逆転

・ものを集めたり、無断で持ってくる

・一人で外に出たがり目が離せない

社会性への機能

・薬の服薬

・金銭の管理

・集団生活が難しい

・買い物

・簡単な調理

過去14日間で受けた特別な治療

・点滴の管理

・透析

・経管栄養

2.主治医の意見書

市区町村の依頼によりかかりつけ医が意見書を作成します。かかりつけ医がいない場合は、市区町村が紹介する医師の判断を受けることになります。かかりつけ医による診断は、今後更新の際にも受けることになりますので、普段健康で医者にかかるようなことがない方でも年に1度は健康診断を受けるなど、心身の状態を確認してもらいましょう。

3.一次判定(コンピューター判定)

訪問調査の結果とかかりつけ医の意見書の一部の項目をコンピューター入力し、一次判定を行います。

4.二次判定(介護認定審査会)

一次判定やかかりつけ医の意見書、認定調査における特記事項を基に、保険、医療、福祉の専門家が審査します。

要介護認定結果通知

介護認定審査会の審査結果に基づいて、要介護度が認定され通知されます。通常、介護認定審査から結果通知まで30日程度要します。

※地域によっては、1か月~2か月かかる場合もあります。

●認定

要介護1~5、要支援1・2、非該当(自立)のいずれかに認定されます。要介護認定1~5に認定されると「介護保険サービス」が利用できるようになります。要支援1・2に認定されると「介護予防サービス」が利用できます。非該当で自立と判断された場合は、地域の支援事業が利用できます。

●認定結果に納得できない

認定結果に納得できない場合は、まず市役所に相談しましょう。それでも納得がいかない時は「介護保険審査会」に不服を申し立てることが出来ます。介護保険審査会は都道府県に設置されています。

●認定結果の有効期間と更新手続き

認定結果には有効期間があります。新規の場合は6ヶ月、更新認定の場合は12ヶ月です。介護認定の効力発生日は、原則認定申請日となります。認定の有効期間は、状態が安定していれば24ヶ月に延長される場合があります。

ただし、介護認定は自動更新ではないため、有効期間が過ぎた場合は認定の効力がなくなり、介護サービスが受けられなくなるので注意が必要です。有効期間以降も引き続き介護サービスを利用したい場合は、有効期間満了日の前日から数えて60日前から満了日までに更新の申請をしましょう。介護の必要度にあまり変化がない場合でも更新手続きは必要です。また、更新の際にも、最初の要介護認定時と同様に、本人に訪問調査を行い介護度が判定されます。

また、著しく心身の状態の変化があった場合は、認定の変更を申請します。有効期間を待たずして状態の変化があった場合は、その都度、介護認定変更の申請が出来、これを要介護認定の「区分変更申請」と言います。

介護保険サービス利用の手順(要介護1~5の場合)

●自宅で介護サービスを受ける

1.居宅介護支援事業(ケアマネージャーを配置しているサービス事業者)を選ぶ

市区町村のホームページなどで地域の居宅介護支援業者を調べることが出来ます。どこが良いか分からない時は、地域包括支援センターへ相談しましょう。

2.担当ケアマネージャーが決まる

3.ケアプランを作成する

どのようなサービスをどのくらい利用するのかを担当のケアマネージャーと相談しながら決めます。サービス内容など希望があれば、事前にケアマネージャーへ伝えておきましょう。このケアプラン作成は「無料」です。

4.サービスを利用する

訪問介護やデイサービスなどの通所サービスの事業者と直接契約をします。サービス内容や、かかる費用についてしっかりと説明を聞き、確認をしましょう。なお、契約は本人が行う必要があり、家族であっても本人に無断で契約することはできません。本人が認知症などで判断力がない場合には、代理人(任意後見人)を選任して代理人が契約をします。

●介護施設で介護サービスを受ける

1.介護施設を選び連絡をする

介護施設を選ぶ際は必ず見学をし、サービス内容やかかる費用について事前に確認をしましょう。入所したい施設が決まりましたら、施設に連絡をして申し込みをします。

2.ケアプランを作成する

入所した施設のケアマネージャーとケアプランを作成します。

3.サービスを利用する

介護予防サービス利用手順(要支援1・2の場合)

1.地域包括支援センターに連絡をする

2.地域包括支援センターの職員と介護予防ケアプランを作成する

これからどのような生活をしたいか要望を伝えましょう。

3.介護予防サービスを利用する

要介護認定受けた後、介護保険サービスを受けることが出来ます。家族の立場からは、介護認定を受け介護サービスを活用したいと思っていても、本人に抵抗かっがあるとなかなか前に進むことが出来ません。介護状態が重くなってきてからの介護認定は、本人や家族の介護への希望をかなえることが出来なくなる可能性もあります。申請から認定を受け、介護サービスを受けるまでには、数か月かかります。より良い生活を持続するために、日常生活が困難になってきたら、どのように暮らしていくのかを元気なうちに家族で話し合っておきましょう。

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